2012/01/17

長時間走行実験とブラシ形状

耐久レースに向けて長時間走行のテストをしました。

耐久レース対策と燃費テスト
走行車両:トレサスMS
ギヤ比:4:1
タイヤ:前輪 大径バレル、後輪 大径スリック
ブレーキ前:フロントアンダーガード
ブレーキ後:マスキング

実験の内容は満充電の電池を使用。
アトミとトルクでそれぞれ15分間連続走行
周回数を記録・比較する。
ただそれだけの単純な実験。

コースは新橋の常設5レーンコース。
DB2個と芝1枚がありバーニングLCのある高負荷コースです。

カタログ値はアトミPROのほうがトルクPROより速いはずですが
コース上ではトルクのほうが速いのは経験としてわかってました。
さらに電流値的にはトルクPROの消費が少ないので、
想像としてはトルクのほうが勝るだろうと実験前から思ってました。

なのでこの実験に何の意味があるんだろうかと思ったりもしたのですが
これが実際に走らせると意外な結果に。


まずはアトミックチューンPRO
電池は満充電した後に常温になるまで放置したもの
15分走行して周回数は137周

周回していて気になったのが速度面
最初の数周はわりと順調だったのですが
5分も経たないうちに速度が低下してきました。
最後の3分に至ってはバーニングを登るのもしんどいレベルです。

この時点ではアトミックだから電池の垂れが早いのかなぁ、くらいに思ってました。
走行後のモーターはほどほどに暖かかったです。


次にトルクチューンPRO
電池は同じく満充電後に常温まで放置したもの
15分周回で周回数は158周

速度は安定していて、ある程度速度が落ちたら
ほぼ変わらないペースで周回を重ねていました。
最後の5分になってもバーニングを苦なく登っていたのはさすがですね。
走行後のモーターを触ってみても、ほとんど熱くなってませんでした。


というわけで周回数を比較した結果は
アトミが137周に対してトルクが158周、とトルクのほうが圧倒的に上でした。
想像どおりの結果ですね。

あとは電池残量を比較して、トルクのほうが残量が上であれば
トルクPROが完全優位で結論付きます。

終了後の電池を別のモーターを積んだマシンに積んで走行させたところ
トルク後の電池よりアトミ後の電池のほうが速かった!、、、アレ?
カタログ値ではアトミのほうが消費電流が上で
走行時の減速も電力消費によるものだと思っていたのですが
これは話が変わってきました。※この件は後で書きます

走行終了後の電池を充電したところ
トルクPRO走行後の電池で400mAh程度、充電されました。

15分走行で400mAhの消費なので、消費電流は1600mA
トルクPROのカタログ値が1300mA~1700mAなので
自分のマシンの場合はカタログ値に納まったみたいです。

ただ、カタログの下限値は2.4V、上限値は3.0Vを通電した場合の数値なので
このレイアウト(負荷)で自分のマシンを走らせた場合
カタログの適正負荷よりは高い負荷がかかっているみたいです。
レイアウトやセッティングによって負荷は変わるにしても
実走行の消費電流がカタログ値に近いというのは面白いですね。

ダッシュ系も同様にカタログ値に近い数値を出しそうな気がするので
ダッシュ立体車を走らせるとニッケル水素の起こしに効果がありそうな・・・

そういえば、以前の超大径:超速:アトミを通電させた実験では
消費電流がカタログ値を上回りました。
車重は重くてもセッティング次第では立体車のほうが負荷が小さいんですね。
セッティングって観点で言うと、タイヤ径とギア比の影響は大きいってことですね。



* ここからは先ほど保留した件の推測 *

①走行後のモーターの熱の件
走行後のモーターはアトミPROは熱を持っていたのに対して
トルクPROはほとんど熱を持っていませんでした。

アトミPROのほうがトルクPROより高回転・高電流なので
消費電流による熱かと思ったのですが
電池残量から考えるとこの仮説は違うと思います。

あとの違いがあるとすればブラシ形状。
トルクPROは銅ブラシなのに対してアトミPROはカーボンブラシ。
銅ブラシと比べるとカーボンブラシを採用したモーターは
何らかの理由で発熱量が多くなるんではないか?

②走行速度と電池残量の件
アトミPROは走行速度が著しく低下したのに対して
トルクPROはある程度速度が落ちたら、ほとんどペースが一定でした。
電池残量から考えて、アトミPROの消費電流が減っているので
何らかの理由でアトミPROが通電しなくなったのではないかと思います。
その何らかの原因がやはりカーボンブラシ?

①と②をまとめてみると
カーボンブラシのモーターは長時間走行していると
何らかの理由で発熱量が多くなり、何らかの理由で通電が悪くなる。
その結果として遅くなる、ということが言えるのではないか。

その何らかの理由は、自分の予想ではカーボンブラシのブラシカス。

自分の経験では、一時的に遅くなったカーボンブラシのモーターも
一旦休ませてある程度から回しして使用するとコンディションが回復します。
完全に欠けている場合は別ですが。

おそらくカーボンブラシのブラシカスがブラシとコミュの間に詰まり
通電の邪魔をしたり、余計な熱エネルギーになっているのではないかと。

カーボンブラシを使用する場合
・走行前にから回しをしてカスを飛ばす
・走行後にから回しをしてカスを飛ばす
・長時間の連続走行は避ける
この3点を守って使用するのがコンディションを保つ秘訣になるかもしれません。

1つの実験で想像以上の結論が出せた気がしますね。