2011/09/14

モーターと通電実験

走行用電池の育成や選別をする時に、充電直後のテスター電圧を計測するよりも
放電時の電圧や一定期間内の平均電圧を計測することが望ましいと
自分は考えてるのですが、そこで問題になるのが実走行時に流れる電流量。

どうせ比較・計測するのであれば実走行に近い電流量を流したほうが
より一層データに信憑性が増してくると思うのです。
というかそうでないと意味がない気もします。

ただ、実走行時に流れている電流量を自分は知らない。
モーターのスペック表には消費電流という数値が書かれているが
あくまでモーター単独で空転させてかつ適正負荷をかけた数字(だと思う)
これでは実走行の数字とは異なるので比較ができない。

そこで実験をしてみることにした。
内容としては 、充電器のモーターランのモードで電圧を指定して
モーターを組み込んだ車体に一定の電圧をかけて流れた電流量を測定するという
実に単純な実験。

カツカツのデータ取りも兼ねて
使用した車体はGP6th出場マシン
モーター:アトミ
ギア比:3.5:1
タイヤ重量:前輪2.8g×2、後輪3.0×2

使用した機材はiCharger208B
電圧は2.4や3.0もしくは3.2ではなく
充電直後に走行した時の電圧を想定した2.9V
もしかしたら2.8Vのほうが良かったかも?


0.43A 意外と消費しない
まずは無負荷空転時の数値を測定。
0.38A~0.45Aをウロウロしましたが
落ち着いた値が0.43A

電池関連で有名なサイト「気の迷い」さんにある
アトミの放電時の電流量とほぼ一致しますね。
といってもあちらは2.4Vでの話ですが。



ここからはタイヤに負荷をかけて実験、、、なのですがその前に一つ
負荷をかける際にどうやって負荷をかけるかという話なのですが
本来ならば機械的に定量の負荷をかけるべきだと思うのですが
機材や治具としてそのような物は持ち合わせていない。

と言うことで指でタイヤ1輪に触れるという原始的な方法を取ることにしました。
故にここから先の実験は非常にあいまいなデータになるので
そこらへんはご了承いただいた上で参考にしてください。

1.5A 想像以上の電流が流れてる
まずは軽い負荷ということで
なでる程度の力でタイヤに指を当ててみる。
指が触れた瞬間から電流量が一気に増え
落ち着いたときに出た数値一つがコレ
1.5Aとは想像以上の電流が流れてますね。

実際には1.2A~1.8Aの間をウロウロしましたが
これはもう原始的な負荷のかけ方なので
指の力加減如何になってしまうので、ね。


2.2A チューン系ですらコレ
さらに指の負荷を強めてみる。
モーターが頑張ってるなって音を出しはじめる
指で軽く押さえる程度の力加減。

取れたデータの一つがコレ、2.2A。
平均して2.0A以上の電流が流れてました。
電流量って負荷でここまで変わるんですね。



負荷をかけたほうが電流が流れるとは体感していましたが
ここまで上減するとは思ってませんでした。

と言ってもあくまで負荷のかけ方がいい加減なので
実走行のデータとは異なる可能性は大きいですが
負荷と電流量の因果関係については間違いないでしょうし
数値的にもそこまで大きくかけ離れた数値にはならないのではないかと。

これらのデータを実走行に置き換えて考えると
・スタート時やコーナー時、特にウェーブは高負荷(≒大電流)
・ストレート時は低負荷(≒小~中電流)
ヘタレた電池だと高負荷セクションでのキレの差が出る可能性大ですね。

逆に言うとチェッカーやストレート、空転状態では
電池に対する負担が弱く、選別根拠としてはアテにならないので
しっかりと実走行ないしは負荷をかけてチェックしないとダメでしょうね。

ちなみにアルカリ電池を使用した場合
チェッカー上は速く、実走行が遅いという現象が起きます。

これは、アルカリ電池は無負荷電圧は2セルで約3.2Vもあり
空転もしくはチェッカーを当てた状態ではほぼ無負荷状態のため
消費電流が少なく、非常に高い電圧を示す≒速度を出しますが
実走行のような高負荷がかかると内部抵抗の高いアルカリ電池は
電圧の落ち込みが著しく、回転数が出せなくなると想像できます。

アルカリ電池で速く走るにはどうすればいいのか
この実験にヒントがあるかもしれません。

超大径アトミといういわゆるフラットレースのスタンダードを想定して
電池の選別をするとなると、充電器の放電能力は最低でも1.5A以上
欲を言うと3.0A程度までは放電できないと厳しいのかもしれないですね。